沖縄ツアーを復旧させるには?
女性と日本の温泉彼女たちがより満足する新しい温泉地づくりを図るには、世界に通用する「ヘルシーなスパ・リゾート」を目指すべきだ・女性たちの温泉ブーム温泉ブームといわれた現象も、ここ一、2年ちょっと落ち着いた感じがある。
ブームが去ったというのではなく、温泉旅行という旅の形態が定着したといったほうが適切かもしれない。
もっとも温泉の歴史を振り返ってみると、日本人は精神的にも肉体的にも「癒しの場」として温泉を上手に活用してきた。
特に隣組や一族での定例化した温泉湯治は、コミュニケーションや情報交換の場としても大いに役立ったこうした滞在型の湯治システムは、現在さかんに提唱されるスパ・リゾートそのものであったといえるだろう。
そうした伝統のなかで、今回の温泉ブームのきっかけをつくったのが女性たちであったという点が特筆される。
面白いことに流行は関西から始まることが多いが、温泉ブームだけは関東、特に首都圏の女性たちがリーダーとなった。
昭和50年代中頃、テレビの深夜番組で男性向けに流された温泉シリーズが、女性たちに「温泉」への興味を抱かせるきっかけとなったのだ。
それまでの温泉地あるいは温泉宿は、現在とは大分違ったイメージでとらえられていたようだ。
「温泉へ行く」ということは、男性たちが歓楽を求めに行くということであり、女性の行くところではないといった社会的制約が隠然としであったのである。
実際、ごく近年まで関西圏の女性たちは、婦人会などの親睦旅行で温泉地へ行くことはあっても、女同士個人的に旅先を選ぶ場合、温泉地を選ぶということは「近所に聞えが悪い」として、遠慮する傾向にあった。
ところが首都圏の、特に人口の密集する東京周辺では、女性でも人の目を気にせず自由に旅行にでかけられる状況にあった。
東京という衝はほとんど他人に干捗し合わないことでお互いの生活をスムーズに営んでいくテクニックをもっている。
集合住宅が増え、狭いスペースは洋風化され、フローリングにベッドの生活が日常化された。
食生活でも世界各国の料理が手軽に体験でき、毎日の食事も洋風化され、かえって日本的な生活や食事は非常に賛沢なものとなっていった。
加えて収入の面では関西地区に比べて男女差の少ないところから、若い女性たちは自由な時間とお金を旅を含むレジャーに注ぎ込むことができた。
高校生や大学生が卒業旅行と称して長い旅を実行するときも、関西では北海道や沖縄といった国内旅行が主流であった時代、関東では外国へ出かける人たちが多かった。
当時すでにヨーロッパやアメリカなどの外国は、旅先としてのステータスが消失し、新鮮味も失っていたのだ。
女性の心をとらえた温泉旅とは常に新しく刺激的であることが要求される。
そんなとき、女性の前にまったくの「未知」であった温泉というテーマが登場したのだ。
特に露天風呂は女性にとってまったく体験のないテーマだった。
当時はっきりと「女性専用」をうたう露天風呂は、静岡県の伊豆熱川温泉のD(現在のホテルS)と谷津温泉のI、岡山県湯郷温泉のTの三カ所しかなかったから、大変に貴重な存在でもあった。
今考えてみると女性たちは非常な勇気をもって、男性に占有されていた露天風呂にチャレンジしたものである。
当時の記事を読み直してみると「不要になったバスタオルを二枚持参すること」など、女性が身体を上手に隠しての入裕法が大真面目に解説されている。
実際に露天風呂を体験してみると、初めて体験する解放感と快感が、それまで窓もない内風呂に押し込められていた女性たちにとって白からウロコが落ちるほど刺激的なものだった。
彼女たちはより気持ちのいい露天風呂を求めて全国を俳個し始めた。
その過程で発見したのが、温泉旅館に残されていた「日本文化」だったのだ。
洋風化された生活では体験できなかった床の聞に畳、障子や襖の生活。
洗練された食器に盛られて出てくる日本食の美しさと端属なおいしさ。
しかも、もてなしてくれる部屋係の女性たちに、核家族化のなかで忘れられていた、しとやかな「立ち居振る舞い」易見たのである。
文字通りのカルチャーショックであり、本当のデイスカバー・ジャパンであったといえる。
外国旅行より「未知」の豊富な温泉旅行が、がぜん最も新しくカッコイイ旅として、若い女性たちにとらえられていくにはそう時聞はかからなかった。
経済の基本は需要と供給。
客が楢唱えれば受け入れ側もその欲求に応えていく。
ちょうど日本の経済がバブル期を迎える事」でもあったから、旅館では女性客をターゲットにして改装・改築が始まった。
食事も穣石料理が主流を占めるようになった。
一泊二万五千円、三万円という高級旅館に、女子大生やOLが泊まりに来るといった現象が当たり前となったのだ。
たとえ全国的ではなかったにしろ、女性たちが観光業界というひとつの経済を動かし、それまで「男性文化」であった温泉地という存在を、女性を意識しないと成り立たないといわれるまでに変質いんびさせたことは大いに評価すべきところだと思う。
それは社会的にも淫擦な部分を抱えていた温泉地のイメージを、健全なスパ・リゾートとしてとらえ直させた点で、将来の日本の温泉地にとって意義のあるターニングポイントであったと考える。
世界に誇れる日本の温泉私は、21世紀のNは、温泉と緑を二つの柱とした観光産業がメインとなっていかざるを得ないと考えている。
日本国土の持つ資源を考えるとき、いくらハイテク産業に期待しても、東南アジアを対象にドーナツ化は免れ得ない。
既存の産業資源に期待薄の日本であるが、唯一世界に誇れる資源が、実は温泉なのだ。
その泉質の多様さは地球上に湧き出る温泉の99パーセントに及び、湧出量の豊富も世界一。
加えて、温泉との太古の普からの付き合いによって編み出された独特の利用ノウハウが各地に伝えられている。
それは長い年月をかけての生体実験に基づいた、安全な入浴法でもある。
この文化を活用することで、ほとんどの慢性疾患に対応することができる。
東南アジアのリゾートを訪ねると、冬期にヨーロッパからたくさんの人たちが訪れているのを見かける。
ほとんどが熟年の人々で、寒さと硬質の水などからリウマチ性の疾患をもっている。
暖かな南の海岸で二週間ほど滞在するだけで痛みがやわらぐということでリピートしているという。
それなら、同じくらいの時間で行ける日本の温泉地に二週間滞在できれば、痛みがやわらぐどころか病気は快癒して帰れるはずである。
袖経痛やリウマチばかりでなく、アトピーだってノイローゼだって温泉で治すことが可能なのだ。
それだけのカを日本の温泉はもっているし、その方法を私たちは知っている。
この偉大な自然の恵みを、日本人ばかりでなく、世界人類のために使う。
それが日本という国の21世紀に謀せられた使命ではないだろうか。
世界に通用するスパ・リゾートしかし残念なことに、日本にはまだそうした受け入れ体制がまったくといってよいほど整っていない。
世界に通用するスパ・リゾートづくりには、今まで温泉を一泊二食型の観光資源としてみてこなかったがゆえに、基本的な発想の転換を図らねばなるまい。
環境の整備はむろんのこと、施設やソフトも長期の滞在に適応できるものとしなければならない。
料金も世界に通用するシステム。
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